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112. 日経新聞/『街の哲学 人を動かす』

 去る11月22日(日)、日経新聞の朝刊にタケセン=白樺教育館の活動が紹介されました。コンパクトですが、その内容は大変濃密で見事にまとめられています。今日はその記事とタケセンのブログも併せて御紹介。

 なお、記事にはいくつか間違いもありましたので、このページの下に修正内容を記してあります。大変重要な内容ですので留意してください。

記事を読みたい方はこちら=>PDFファイル(832KB)


今朝の日経新聞ー「街の哲学 人を動かす」ー

街の哲学

今朝の日本経済新聞(第31面)に、
社会人第58話
街の哲学 人を動かす

という記事が載りました。
わたし・武田康弘の33年間にわたる私塾「白樺教育館」を基盤とした教育と哲学のありようが紹介されています。

日経記者の和歌山章彦さんが、大変に熱のこもった取材(3回の来訪・計12時間以上)により書いたものですので、通常の記事とは異なり、きわめて密度の高い内容です。

受験塾との違いー「意味の了解」
自由対話
サルトル、ポンティの邦訳&解説者で哲学者の竹内芳郎さんとの交流・対話。
「生活世界からの哲学」こそほんものの哲学。
ルソー「社会契約論」初稿ージュネーブ草稿の解説、高校生の質問
多様な人々が集う
丸刈り強制の廃止
情報公開条例の制定
33年間地域に根ざし市民との対話(問答的哲学)に徹してきたが、請われて10月より、非常勤の国家公務員に。
「日本国憲法の哲学的土台を明らかにする」ことを求められる。
「公務員倫理やキャリアシステムの問題点の本質を『武田哲学』の視点で明らかにしてほしい」と期待される(参議院行政監視委員会調査室首席調査員・荒井達夫)。

カメラマンによる写真もさすがです。よい瞬間をアップで捉え、全体の雰囲気を暗示する写真になっています。


わたしのブログの読者の皆さまには、ぜひお読みいただきたいと思います。お近くの新聞販売店でお求めください。

2009年11月22日 武田康弘

記事中、誤った記述があります。正しくは、以下の通りです。

1.

「武田が応答する。ルソーが記述した「合意」=「契約」は人民主権を保障する理念。商行為を含む個々の契約を成立させる根本のルールなのだと。」
  は、正確に表現すると以下のようになります。
「武田が応答する。ルソーが記述した「合意」=「契約」は人民主権に基づく理念で、それがまた人民主権を保障することにもなる。商行為を含む個々の契約を成立させる根本のルールなのだと。」

2.

薬害問題や官制談合は、市民の常識の上に成り立つ「公共」と国家が担う「公」の齟齬がもたらした病理だと武田は言う。
  は、正確に記述すると以下のようになります。
薬害問題や官制談合は、市民の常識の上に成り立つ「公共」とは異なる国家が担う「公」があるかのように錯覚する病理がもたらしたもの だと武田は言う。

上記の記述だと、わたしが公と公共を分ける三元論者であるかのような誤解を与えてしまいます。
現代の日本語の常識からして、公(おおやけ)と公共は同じ形容詞であるはずです。ただ、わたしは、古い「公」(おおやけ)という言葉よりも市民性を感じさせる「公共」という言葉の方がよいと思いますので、出来るだけ「公共」を使うようにしています。
この二つの形容詞を使い分ける「公共哲学」の三元論は、わたしには意味不明であり、なにか背後に特定のイデオロギーをもつように感じてしまいます。

2009年11月27日 武田康弘


 

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2009年11月28日
古林 治

 
 
 
 

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