金泰昌(キムテチャン)氏は、「公共的良識人」紙―8月号の冒頭対談で、「注目すべき日本の二つの動向」として、白樺教育館の思想と実践を上げています。以下にその全文を掲載します。わたしたち白樺同人は、高い評価に深く感謝します。
金泰昌(キムテチャン) :
日本での動向の中で私が特に注目しているのは二つあります。
その一つは、東京大学や千葉大学の公共哲学研究者たちがすすめている「学問研究の構造改革を目指す公共哲学」運動です。極端な専門分野的分割化(タコツボ化と言われます)から専門分野を横断する相関志向への学問研究へのパラダイムシフトを強調しています。
そして、もう一つは、武田康弘白樺教育館長とその同志たちによる民知―恋知による生活知再構築運動です。従来の官知―制度知による生活世界の領土化・植民地化から一人ひとりの市民の主体的・主観的・当事者的自立を支える生きる力としての知の産出とその共有を強調する純民間活動です。
(「公共的良識人」紙8月号巻頭―吉林大学・ヤオ教授を訪ねて、より)
以上は、キム氏と吉林大学のヤオ教授(哲学社会学院哲学系主任・カリフォルニア大学、ハーバード大学で高級訪問学者として共同研究にも従事)の対談の中でのキム氏の発言です。☆吉林大学は、中国吉林省の省都長春市にあり、文科系、理工系、医学部などを擁する中国東北地域最大の総合大学。中国政府により「七つの哲学人材育成基地」に指定される。とりわけ日本に関する研究・教育は非常に充実していて、日本語教育については中国随一との定評がある。
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金泰昌(キムテチャン)氏は、現在、公共哲学共働研究所所長。
韓国延世大学院政治学博士。 駐韓米国経済協調所企画補佐官、国立忠北大学・社会科学大学長、国際関係研究所長、統一問題研究所長、行政大学院長、東京大学客員研究員、国際日本文化研究センター客員研究員、北九州大学客員教授、九州女子大学文学部長、などを歴任。
前東京大学総長・佐々木毅氏との共編―シリーズ『公共哲学』10巻の編者。続編も刊行中(東京大学出版会2000−2006)。
★ 以上は、『行政研修ジャーナル』No.37・2006年(人事院公務員研修所・発行)によるキム氏の略歴です。キム氏は、人事院からの依頼で、行政研修の講師を務めています。 |
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