「28歳と69歳のウィリアム・ブレイクの肖像画」
(ポールメロン夫妻、アパービル、ヴァージニア)
『ブレイク伝』P.アクロイド著 みすず書房 より
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崇高な預言者であり、かつ子どものように無邪気で戯(たわむ)れ好き。
性を謳歌(おうか)、賞揚して、「エネルギーは永遠の喜び」と宣言し、裸で庭を散歩した。
古代に憧(あこが)れ、生身の人間を全的に肯定する徹底した反律法主義者。
夫人と共に、貧しく病弱な青年を献身的に世話した。
暴力や弱者への抑圧には激しい怒りをもち、暴行している者には直接飛びかかり、動物の虐待には心を痛めた。
天国と地獄―反対物をともに受容し、ひとつの想念に固執することがなかった。
たえず幻視と思考のなかに住み、明晰なビジョンを明確で躍動する輪郭線によって現した銅版画家詩人ーそれがブレイク。
彼は、いかなる意味においても、後の時代の「ロマン主義の」画家ではなかった。生地ロンドンで一生を銅板に向かって生きた職人、且つ商売人であった。そこにブレイクの強さの秘密がある。
2002年10月1日 武田 康弘
1823年にドゥヴィルが作成したライフマスク、いくぶんいかめしい表情は、鼻の穴に麦わらを挿入されているためと思われる.
『ブレイク伝』P.アクロイド著 みすず書房 より
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