民知の図書館
11. ブレイク伝
P.アクロイド著 2002年2月8日 みすず書房刊 12000円
謎の多い幻視家―ブレイクの人生と作品研究の決定版がついにでた!と叫びたくなるような素晴らしい大著です。間違いなく今後ブレイクを知り、考えるための基準となる書だと思います。
詩人としての才能も持つ優れた伝記作家のアクロイドは、ブレイクに深い愛情を抱いていますが、その叙述は、冷静・緻密・正確、この天才を等身大で描き出しています。学術書でありながら、たいへん平易で読みやすいのは、著者の能力の非凡さを示すものでしょう。
白樺派の思想的リーダー、柳宗悦(やなぎむねよし)の魂=「幻想価値」の探求者、ウイリアム・ブレイクに再び強い光があたるのは、悦ばしいかぎりです。
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