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8.白樺教育館の基本姿勢
 
- 所有から存在へ -

 【所有から存在へ】、【知・歴・財の所有】という言葉が今まで何度か出てきたと思います。今日はその辺のところをちょっと。もちろん自己確認という意味もありますが。

白樺教育館の基本姿勢 - 所有から存在へ -

 あえて言うまでもなく、お金や物品は、生きるためにはなくてはならぬものです。しかし、金品は、どこまでも人間が生きるための手段であって、生きる意味にはなりえないでしょう。

心の本音において、金品の獲得を目的化する人・金品の所有者に接近することに価値‐意味を感じる人は、手段と目的を取り違えている人です。
金品=財のみではなく、履歴や知識についても同じことがいえます。
知・歴・財の所有―その数量を競う人生は、さもしく、おぞましく、いやらしいものです。自我の拡張(イソップ物語のカエル)のための戦略・戦術を練ることを日課とするような人生ほど不幸なものはありません。本質的にみみっちく、汚く、哀れです。それは、発想が逆立ちしているからです。

 人間の生きる意味は、存在そのものの魅力を拡げ、深めることにあるのだと思います。さわやかさ、しなやかさ、柔らかさ、優しさ、力強さ、覚悟性、率直さ、気持ちのよさ、のびやかさ、愉(たの)しさ、不撓(ふとう)・不羈(ふき)のスピリット、想像力に溢(あふ)れるマインド、・・・・・・・

不撓(ふとう):困難にあってもくじけないこと。
不羈(ふき):自由奔放で束縛しえない・こと(さま)。

 所有を競うのではなく、存在そのものの魅力を開拓してゆく努力。唯一それのみが、人間が人間として生きるに値する生でしょう。
  年少の子どもたちのとらわれのない友人関係が、想起されます。

 知・歴・財の所有に幻惑される心と白樺スピリットとは、二律背反です。 
 互いの存在のよさを肯定しあうことで、生き生きとした悦びの人間関係を育て上げてゆきたいと思います。

2002,4.24 武田 康弘

 いかがでしたか。
もし小さな子供たちにわかりやすい言葉で語ったなら、きっと
『そんなの当たり前じゃん!』
と答えるに違いないでしょう。

 でも、大人はどうでしょうか。
『ギクッ!』
『そりゃ、そうだけど・・・』
『なに言ってんだ。食うのが先だろう。』

というような反応が返ってくるかもしれませんね。

 

私たち大人は、現実という私たち自身が作り上げた制度の中での生き方(損か得か)を一つ一つ身につけてしまった結果、素直に子供と同じ態度を取ることが難しくなっていないでしょうか。

 こんな風に自問自答してみるともっとわかりやすいかもしれません。
  『知識の量、学歴や地位、金(財力)それに腕力も含めた力のある人たちに私たちは日常どのように接しているか。』

 もし、そうした【力】のある人におもねる生き方をしているのであれば、決して本当の豊かさにはたどり着けないし、私たちが作り上げるさまざまな社会システムも制度疲労に陥(おちい)るだろうことは冷静に考えれば誰にもわかることと思います。

 さて、あなたはいかがでしょうか。
エッ!私ですか。
正直言って、時々、『ギクッ!』となる時があります。
クワバラクワバラ、常に自覚的でありたいもんです。

2002年4月27日 古林 治

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