40. 教育とは、魂への配慮のこと
教育にかかわる論議が今に限らず昔から繰り返し行われ、教育改革という名目で制度の変更が何度も行われていますが、本質論抜きにいくらやっても、という気がしませんか。
簡潔に言ってしまう教育とは・・・・
教育とは、魂への配慮のこと 武田康弘
教育の最大のテーマは、魂=内面世界を育てることです。
競走馬をつくる努力、ではありません。
教育とは、一人ひとりの存在を肯定し 受け入れ 愛することで、内面=心=魂の世界を開拓する営みです。
人間の自我は、真に肯定された時にだけその殻(から)を破り、純粋意識の働きを強め、内面世界をつくりだしていくのですから。
深く自分を肯定することが、「心から他者を受け入れる」ための条件です。
自我主義=エゴイズムを脱して<公人>となるためには、自他の存在の肯定=受け入れが必要です。
愛する、ということがなければ、他になにがあったとしても魂は育ちません。魂は救われません。これは人間存在の原理です。
知識や技術それ自体には何の意味もありません。どのような知や方法や技術も、魂と一緒になって始めて意味をもちます。魂=内面世界が豊穣(ほうじょう)でなければ、人間の生のすべての領域は、色あせた無価値なものと化します。
2003年10月8日 古林 治 |