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  • 208. ベートーベン、クルレンツィス、ベルリオーズ愛好会

  • 208. ベートーベン、クルレンツィス、ベルリオーズ愛好会

     館長・武田康弘により、Facebook 上には3人の音楽家愛好会のページが開設公開されています。
    お気軽にご参加ください。

    1. fbベートーヴェン愛好会 =>

    2. クルレンツィス愛好会 =>

    3. ベルリオーズ愛好会 =>
      

     以下、それぞれの最初のページ、もしくはご案内ページを転載しておきます。
    お楽しみください。

    1.fbベートーヴェン愛好会

     今年2020年は、ベートーヴェン生誕250周年です。
    ここは、過去の音楽としてではなく、今を生きる音楽としてベートーヴェンを愛好する者の集いです。

    2.クルレンツィス愛好会

     クルレンツィスは語ります。

    「ムジカ・エテルナは、ロシアで唯一の国際的なオーケストラで、仕事をするためではなく、友情でつながっています。互いに尊敬し、責任感を伴う友情です。団員約100名の国籍は12カ国。多くはコンクールの優勝経験があります。みな、工場のような管理されたオケではなく、質の高い『未来のオケ』をつくりたいという私の夢と考え方に共鳴して集まった仲間です。

     未来のオケとは、聴衆にエネルギーを与える生き物です、超越的な体験を引き出す恍惚的なものです。恍惚感や愉悦は、工場で働くようなオケからは出てきません。友人や愛している人とだらかこそ生みだせるのです。」

    「わたしがギリシャで生まれたことはとても幸運です。ギリシャ哲学から多くのことを学んだことで、物事を見る特別の視点を持つようになりました。古代の哲学書を読めば、iPadやインターネットがなくても精神的に我々より進んでいた彼らの方が賢いことが分かります。」

    「天才的な作曲家は時代を超越しています、すべての音楽は現代音楽なのです。わたしがやろうとしてるのは、音楽を再生産するのではなく、解釈し、夢想しながら、超越的な体験を引き出したい。それにはエネルギーが必要です。人々はなぜロックコンサートで熱狂するのか。演奏者が感じているエネルギーが聴衆に伝わるからです。教育で無菌化された学者のような音楽家が奏でるのは、音楽の内部ではなく、音符に過ぎません。クラシックの音楽家はダンスのステップさえ知りません。」

    3.ベルリオーズ愛好会

     今年はベルリオーズ没後150年の年でした。
     思い出すと、
     わたしが最初に買ったオペラの全曲盤は、ベルリオーズの大作「トロイアの人々」です。1969年の没後100年の時にコリン・ディヴィスにより全曲がはじめて録音され、2年後の1971年に発売されたLP5枚組(定価1万円)。高くて「えい、や!」とばかりに気合を入れて買ったのでした(笑)

     なぜ、当時誰も聴いたことがない世界初録音のオペラの全曲盤を買ったのか、というと、
     その3年前の1968年(高校2年生)のときに、アンセルメ・スイスロマンド管弦楽団による「幻想交響曲」を発売時に購入して、すっかり好きになり、冒頭に入っていた序曲「海賊」もパレットに色がいっぱいで、楽しくて何百回も聴いたのが縁、というわけです。

     そのLP(写真)は、アンセルメの練習風景も入っている凝った品(2枚組・2300円)で、16ページもの詳細な解説文が付いていましたが、そのうち7ページが志鳥 栄八郎さん(故人)による「情熱の作曲家ベルリオーズの半生と《幻想》」で、これが実に面白く役立ちましたので、だいぶ経ってからですが、私塾を開いた後に、ずいぶん多くの人にコピーして読んでもらいました。

     で、「トロイアの人々」を買い、針を降ろすと、そこにはなんともいえない美しい情熱と高貴な官能と劇的な音楽がありました。LP5枚、4時間を超えるオペラですが、均整の取れたロマンが花咲き、精妙な筆致による音楽世界に鳥肌が立ちっぱなしになりました。長いとは感じません。飛翔する想像力と激しい情熱に感動し、このほとんど知られていないオペラにすっかりハマってしまったのです。ただし、メロディーを口ずさんでも誰も分かってくれません(笑)

     緊張感のある精妙なデイヴィスとコヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団と合唱団の英国勢による演奏、歌手はみなフランス人。英仏合作の演奏は、見事で、いまもよく聴きます。

     なお、映像付きは、20年くらいたってから、レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団の上演記録がパイオニアからレーザーディスクで出たのが最初でした。この映像を見ながらわたしは、なぜ、「トロイアの人々」がほとんど上映されないのか、がよく分かりました。音楽がよ過ぎて想像力をあまりに刺激するので、舞台が追い付かないのです。このオペラは、背景画をスクリーンに映し、最小限の演出で、オケと合唱と独唱者を中心にするのがよいと思いました。オラトリオのように、です。

     DVDが出たのは、21世紀になってからで、3種類を持っていますが、一押しは、ガーディナーのもの。ベルリオーズを深く理解するガーディナーの演奏は、さすがです。現代演出は好みではありませんが、いま出ているDVDは、すべて現代演出なので残念。 20世紀まではほとんど演奏されなかった「トロイアの人々」ですが、21世紀になって欧米ではかなり上演されているようで、嬉しい限り。でも日本ではゼロです。今後は、わたしの提案を受けて、オラトリオ形式で上演してほしいもの。日本初演は誰がやるのかな~~?

     「幻想」のCDは、手元に20種類以上ありますが、今年、記念の年にロトとレ・シエクルによる新録音(彼らの2度目の録音)は、ロトが幻想を読み切った見事な名演で痺れます。1964年のクリュイタンスの東京公演、フランスの香りと超がつくほど激しく燃え上がる音楽が同居した名演や、ミンシュの大きく輝く名演とは異なりますが、緻密で完全にオケが鳴り切り、内側から燃える演奏には、とうとうここまで来たか、と感嘆。

     ベルリオーズ自身が最高傑作とする「レクイエム」は、発売されたものはみな聴きましたが、いま一つピンと来ませんでした。しかし、1994年2月14日にディヴィスがシュターツカペレ・ドレヅデンを振ったライブ(ドレスデン爆撃戦没者追悼演奏会)を聴き、深く納得しました。弱音の昇華された悲しみと美しさに痺れ、大音響による想像力の飛翔に感服しました。

     「テ・デウム」は、小沢が日本フィル解散時に日本初演をしたのを聴き、感動。その後に出たアバドのCDは、減るほど(CDなので減りませんが)聴きました。これは、いま、音質改善した「オリジナルズ」のシリーズになっています(再度買いましたが、歪が減り、美しい音になっています)。この曲もまた、デイヴィスがシュターツカペレ・ドレヅデンを振った演奏は、劇的で見事。アバドの繊細さと好対照。

     オラトリオ「ファウストの劫罰」は、長年、プレートル・パリ管のLPで聴き、CD化されてからはCDで。ミンシュよりもこちらが好きです。3年半前の夏に、スダーン・東響で実演に接し、とても面白くて大満足。すばらしい歌手陣、中でもメフィストフェレス役のミハイル・ペテレンコには度肝を抜かれました。

     ベルリオーズは全部聴いているので、書きだしたら止まりません。今日はここまでにします。

     明日から2020年、今度は、ベルリオーズが最も尊敬していたベ-トーヴェンの生誕250年です、ベルリーオーズより33才年長なので、親子くらいの年の差。第九交響曲の12年後に幻想交響曲は作曲されました。

    武田康弘

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