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金泰昌-武田康弘の恋知対話  15
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2007年6月8日 武田康弘
    基本合意が得られましたので、公共に開きましょう.

キムさんのお返事、基本的に了解しました。
「武田さんとわたくしの立場は、前意識や無意識も含めて理性の外部として排除されてきた日常の生活世界における、一人ひとりの具体的・実存的私人たちの身体感覚までも立体的=相関的に捉えるということ」の確認がしっかり取れ、深く合意に達したことは、大変よろこばしいことです。

なお、竹内氏や竹田氏の極めて優れた業績は、日本の学者〈学会〉の中でも知っている人は少数で、「常識」にはなっていません。多くの学者は、現象学に対する理解も古い常識に縛られたままです。わたしは、竹内氏は旧世代の最良の読解者であり、竹田氏は竹田現象学とでも呼ぶべき新たな地平を切り開いた人物で、本質論次元でみれば、欧米の哲学界を超える仕事をしていると思います。

また、「公共哲学はデカルト―ヘーゲル―カントに代表される理性中心の思考・意識に偏向した大陸観念論とは基本的な発想がちがうということと、むしろスコットランド啓蒙主義に似ているところがある」との見解に対しては、わたしは、再検討が必要だと思いますが、今はこの議論は保留とさせて下さい。

それでは、
【武田さんが“「最後に」でおっしゃったように「思想や理念がどのような条件の下で花咲くのか?を追求する」”哲学を私たち二人で語りあいたいと思っているわけです。それを阻むものを批判し、その実現方法を探る哲学とは、はたしてどのようなものなのかと。】

という基本合意が得られましたので、いったんここで対話を休止し、これまでの成果を公共に開きたいと思います。読者の皆様の反応を待って、続きを再開致しましょう。

武田康弘

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