3. 2002年第一回 哲学研究会/市政研究会

 2002年1月19日(土) 白樺教育館の学芸/研究部門である『第299回 哲学研究会/市政研究会』が開かれました。年の初めであり、教育館開館直前でもあるので、新年会気分でとても盛り上がったようです。
  ようです、というのは私は体調不良で欠席してしまったのです。そんなわけでこの日の内容についてはちょっとコメントできないのですが、配布されたプリントを1枚手に入れましたので、載せちゃいます。
 今回のはとてもわかりやすいので、そのまま載せます。要は白樺派の連中の生き様を見習ってもいいんじゃないか、と言い換えてもいい内容ですね。じっくり噛みしめていただければ幸いです。


 日本人の顔は貧相だ。
 豊かさ、愉(たの)しさ、輝(かがや)きのない顔だ。濃(こま)やかな優(やさ)しさのない顔だ。
 心の内側から湧(わ)き上るエロースがない。
 内的な確信・自信のない貧しい顔だ。
 外なる価値・即物的な価値に縛(しば)られた醜(みにく)い顔だ。
 外見だけを整(ととの)えたステレオタイプのつまらぬ顔だ。
 管理者の作るシステムと価値観に支配され、言葉も行為もなぞりでしかない。
 知識・履歴・財産の所有が価値だと思い込み、存在の輝き=魅力がない。
 固定した真理や正しい型があるという妄想に取り憑(つ)かれているために、既存の価値基準を越えて自由にはばたく生の可能性を知らない。
 理念やロマンを持てないただの人=人間の脱け殻(がら)だ。
 生理的で紋切(もんきり)型の性(せい)か、愛のないポルノのような性しか知らない情感に乏しい単純な顔だ。
 悦(よろこび)びやイマジネーションの広がりのない面白味のない顔だ。
 意地の悪い偽善者だ。
 内部から燃えるものがないために、外なる権威・所有にすがりつくしかない哀(あわ)れな存在。まさに「死に至る病」である。

 負のエネルギーを充填(じゅうてん)させてしまう減点法を廃止しよう。自分や他者や物事の評価は、加点法を中心としよう。
 求められるのは、否定ではなく、肯定と愛の心である。
 愉(たの)しい真剣・悦(よろこ)びの努力、これが生きるに値する生を創(つく)る態度だ。
 しなやかで、柔らかく、強い心身。
 のびやかで愉悦(ゆえつ)に満ちた精神。
 みずみずしくツヤのあるこころ。
 とらわれのないダイナミックな行為。
 おぞましい力に屈しない生き生きとした自由な意識。
 深い納得、意味に満ちた生を創(つく)りだそう。

「人間の最も高い魂は、知恵を求め、美を愛し、音楽・詩を好み、恋に生きるエロースの人=哲学する人間、に宿る」(ソクラテス)

2002.1.19 武田 康弘

 

2002年1月20日 古林 治