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14.教育館のオーディオ

 白樺文学館時代にもオーディオに関してはかなりのエネルギーを注ぎましたが、教育館でもオーディオには相当のエネルギーを費やしています。ちょっとご紹介しましょう。

 文学館のオーディオと教育館のオーディオとはそのコンセプトにおいてかなりの違いがあります。まずそのあたりから。
 文学館のオーディオのテーマは、やはり 柳兼子に焦点を当てていました。兼子の残したレコード(SP,LP)は希少で若い頃のものはなく、主な作品は84歳の頃のものでした。若い頃の瑞々(みずみず)しいエネルギーを少しでも感じ取ってもらおうと兼子の声音を若々しく奏でるような機材の選択と調整を行っていたわけです。言ってみれば兼子チューンともいえるでしょう。それに加えて、音楽室という特別な場所を制作したのですから視覚的にも美しいものを、という意図もありました。
 その結果、どんな音楽でも快適に聞けるというものではなく、オーケストラなどでは元気がよすぎて少々暴れ気味になる傾向がありました。もっとも、もっと時間があれば、それなりに聞けるチューニングはできたんだけど、と機器選択とチューニングを実際に行った タケセンはコメントしています。
柳兼子のCD--->

 一方、教育館の方では、音源は兼子やクラシックばかりでなく、ジャズやポップス、あるいはDVDでの映画鑑賞など多岐にわたりますので、あまり強烈な個性を出すわけにはいきません。むしろ、忠実な音を再現するという方針で機器の選択と調整が行われたようです。タケセンの言葉を借りると次のような表現になります。

 教育館のオーディオは、プログラムソースに極めて忠実な再生をします。
 元のソースを美化することはしませんし、逆にアラを拡大して聞かせることもしません。
 オリジナルの音源を歪めずに再生することで《音楽の内容がよく聴き取れる》ように創られています。 
(選定・調音ー武田康弘) 

教育館のオーディオ

 というわけで以下に教育館のオーディオ・スペックを掲載します。興味のある方はご参考に。
ケーブル1本でホントに劇的に音が変わるというのを目の当たりにして私もよい勉強になりました。

教育館のオーディオ

スピーカー

ティール  CS2、3 (2001ニュータイプ)〔アメリカ〕
35Hz〜20kHz(±2db)

スーパートゥイター

パイオニア  PT−R4 〔日本〕 20kHz〜120kHz

スーパーウーハー

ヤマハ  YST−SW1000/L 〔日本〕16Hz〜40Hz

( スピーカー コード PAD 〔アメリカ〕 )

 

 

アンプ

デノン PMA−S10V 〔日本〕
( 電源コード ジャーマンフィジックス 〔ドイツ〕 )

アンプ用電源

200Vよりオヤイデ 1.5kwトランスで100Vに変換

 

 

CD・SACD・DVD・VIDEO マルチプレーヤー

 

マランツ SA−12S1〔日本〕
( ピンコード PAD 〔アメリカ〕 )

電源

CSE 〔日本〕
( 電源コード S/Aラボ〔日本〕 )

 

 

〜その他〜

 

LPプレーヤー

トーレンス〔ドイツ〕

MDプレーヤー

ティアック

CD-R(レコーダー)

ティアック

カセットプレーヤー

ソニー

AM FMチューナー

パイオニア

 

 

ディスプレィ

パナソニック プラズマ42 デジタルハイビジョン

 

2002年7月21日 古林 治

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