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21.共生社会のための二つの人権論

   金泰明(キム・テミョン)著  (株式会社トランスビュー・2006年1月刊  ¥2,400 税込み) 

共生社会のための二つの人権論

  ひとりひとりの人間の自己中心性を否定せず、そこに立脚して、そこから人権をルールとして考える思想は、現代民主制社会における普遍的な哲学ではないでしょうか。 押し付けや命令や要請ではなく、個々人の生活世界での実感に則って、互いの「欲望」を肯定し合うところから生み出される「ルールとしての人権」思想は、市民主権の民主制社会を支える屋台骨となる哲学だと思います。
 このように解釈された人権思想は、「公共哲学」の原理になると私は考えていますが、ルールとしての人権思想をルソー出自のものと捉え、カントの理念型の人権思想との対比において分かりやすく説いたのが本書です。世界的に改めて「公共とは何か?」が問われるいま、その基盤となる哲学をつくる上で、とてもよい考えが提示されています。
(以上、アマゾンに載せた書評の転載です。)

武田康弘


 以下、おまけです。

 2007年4月15日(日)にタケセン思索の日記(タケセンのブログ)を更新しました。内容は上記の本に絡めてでした。その晩、タケセンと私(古林)が何気なく見ると既にコメントが一つ入ってました。『お!早くもコメントが.』 見れば何と当の著者キム・テミョンさんからだったのでした。

武田康弘様
  はじめまして。金泰明です。貴殿が書かれた、拙著『共生社会のための二つの人権論』の書評を拝見しました。的を射て、かつ簡潔に拙著の中心思想を取り出していて、驚き、感心しました。そして、何よりも励まされ勇気づけられた気がします。ありがとうございます。私も1952年生まれです。こんなに近くに、社会思想の原理をほぼ同じくする同年代の哲学徒がいらっしゃることを、心から嬉しく思います。また、市民の哲学と公共性の原理に基づいた教育実践に携わっていることをしり、とても興味を覚えました。もし、ご迷惑でなければ、一度、白樺教育館を訪れ、皆様の活動に触れて、多くのものを学びたいと思っています。

金泰明さま。
  はじめまして、早速のコメントありがとうございます。ビックリ!!です。
丁寧に書き込んで頂き、感謝しています。
「白樺教育館」来館を歓迎致します。
ぜひ、ゆっくりお話したいと思います。
なお、白樺教育館のホームページにもいろいろ記事が出ていますので、ぜひ覗いてみて下さい。

 このあと、何度かやり取りがありまして、早速、テミョンさんの白樺教育館来館が決まりました。またご報告できるでしょう。

古林 治

   
2007年4月23日
 
 
   
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