1.文学館前庭「自帰依(じきえ)」 大理石(シベック)
h1100×w2400×d750
私は、彫刻依頼を受けたとき、志賀直哉邸跡地はもとより、柳や武者小路、リーチが住まいし、創作の地とした我孫子の空間と強い意志で結ぶ、そんな表現が出来ればと思いました。
文学館から志賀旧居へ、螺旋(らせん)状に大きくうねって連なる環(わ)の一部分である白い大理石に、人間の清も濁もまるごと認め、なお上昇しようとする人間を信じ愛し続けてゆこうとする白樺派の人々を見つけていただければ幸いです。
自分を見つめ発明する。自分を愛し大切にする。ひいては他者をも大切に思いやる。「自灯明(じとうみょう)、自帰依」と云(い)う仏教の言葉は彼らの創作の根幹をなす思想に重なっていると感じ、タイトルとしました。
(作品と説明:佐治 正大)
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