18.開館に向けて  白樺文学館‐設立の趣旨 他

 しばらく間があいてしまいました。ちょっと忙しかったのもありますが、公式ホームページの準備をシコシコやってたもんで。
 というわけでもないんですが、近況を少し。 今回はちょっとテンコモリです。

● 建築会議
● 若き日の「志賀直哉と武者小路実篤」の絵
● 創造の地・我孫子 白樺文学館‐設立の趣旨
● 公式ホームページ予告

建築会議

 前にもちょっと触れましたが、文学館のそばに一時的に借りた事務所で建築会議が毎週開かれています。
普通、施工の折に建築事務所が設置されるのは相当大掛かりな建物の場合で、白樺文学館レベルの規模で設置されるのは例外的なことだそうな。

  9月29日の建築会議には私もちょこっとだけ参加させてもらいました。大きなハードウェアの詰めもほぼ完了し、いよいよ内部の展示物やオブジェなどソフトウェアの詰めの方へと話は変わってきています。

 上の写真はその会議風景です。設計、施工、家主の各関係者にタケセン(うしろ向きに熱弁を振ってる)。

 白樺の文人達の絵をどこに展示し、どうやって設置するか、展示パネルはどうやって作ろうか、などなど。もちろん、白樺文学館の理念に則(のっと)ってそれらを具体化することは言うまでもありません。それがなかったら、理念などお題目にしかなりませんし、文学館を作る意味もなくなってしまいますからね。
 ということで、何かの議論が始まれば必ずといっていいほど、理念に関連した具体的な話が手を変え品を変え出てくることになります。
 それがいつの間にやら【哲学研究会分室】と化すわけです。もちろん、和気会々、真剣そのもの、漫才入り乱れての会議となるわけであります。

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若き日の「志賀直哉と武者小路実篤」の絵


 前回、書いた「志賀直哉と武者小路実篤」のところで使った画像(絵)は、ご存知の通り、白樺の文人5人の絵から流用したものです。結構大人になってからの肖像画ですので、文章の内容からするとちょっと似つかわしくありません。といって、著作物から流用すると著作権など、わずらわしい問題が発生するので、どうしようか。

 『そういえば、学芸員の桜井さん、絵もかけるわ。頼んじゃおう。』
良いと思ったらすぐやる。一人でもやっちゃう。
う〜ん、また出ちゃった、これ。 

志賀直哉(左)と武者小路実篤(右)の若い頃。
絵:桜井麻紀子
絵をクリックするともうちょいでかいのが・・・

 

 

 

 

 

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創造の地・我孫子

白樺文学館一設立の趣旨


 ホームページの内容というのは中々難しいものです。どちらかというと、じっくり読んで考えるというような内容は向いていません。むしろ、興味のありそうな情報を探しまくって『 ン?』というものがあったら覗いてみる、という感じですから、良くも悪くも軽薄短小(けいはくたんしょう)になります。

 そこで白樺文学館のホームページの案内に簡潔な【設立趣旨】のようなものが欲しいなとかねがね思っていました。ちょっとタケセンにそのあたりを話したら早速作ってくれました。

 良いと思ったらすぐやる、これですよ、これ!
というわけで、公式ホームページに載せる【設立の趣旨】をのっけちゃいます。


民知を作り出すコミュニティースペース 白樺文学館

 白樺文学館設立の主目的は、イマジネーションにあふれる新しい文化=民知を生み出すために、20世紀の日本最大の文芸・思想運動であった 〈白樺派〉の封印を解くことにあります。

 権力や権威に頭を下げず、既存(きぞん)の道徳に敢然(かんぜん)と挑(いど)んだ「白樺」の若き獅子(しし)たち。強烈な自立心をもち、なにものをも恐れなかった彼らの息吹を吸うための愉(たの)しく素敵なスペースを創ること。それが白樺文学館の企図(きと)です。

 1910年、明治政府は、大逆(たいぎゃく)事件で幸徳秋水(こうとくしゅうすい)らの思想家を処刑し、 韓国を天皇直轄(ちょっかつ)の植民地として日本に併合しました。この暗雲たちこめる年に、学習院出身の「異端者」たちは、文芸同人誌『白樺』を創刊したのです。時に、柳 21才。武者小路 25才。志賀 27才でした。

 『白樺』の中心メンバーだった柳宗悦(やなぎむねよし)志賀直哉(しがなおや)武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)と 声楽家で宗悦の妻の兼子(かねこ)、強力な同伴者のバーナード・リーチは、1914年から相次いで我孫子に移り住み、彼らのその後の人生を決定することとなる激流のような創作や非妥協的な実践活動に入ってゆき ます。
その当時「白樺村」とも呼ばれたここ我孫子は、文字どおり創造の地だったのです。

 白樺文学館は、白樺資料室(1F図書室・2F展示室)の他に、音楽室(特別設計のオーディオルーム)と、喫茶、談笑、展示会および 民知をつくりだす市民大学『白樺フィロソフィー』のためのコミュニ ティー・ルームを持ちます。
  ただの文学館ではない文学館、「白樺」の息吹を吸うことで、民知という新しい文化=考え方・生き方を創りだしてゆくコミュニティー・スペース。それが白樺文学館です。

〔2000年10月12日 武田康弘
白樺文学館の理念】へ
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公式ホームページ予告

 白樺文学館公式ホームページは12月初頭あたりに公開予定です。とはいっても、最初からみっちり内容満載とはいきません。まずは、これまでの顛末記の移植とご案内ページ、それにプラスアルファを考えています。
そのあとは少しづつ充実させていきたいと思います。
 プラスアルファの部分は民知の図書館とかいくつか考えてますが、まだ未定です。ただし、文学館の展示物をすべてホームページ上で資料として公開することは今のところ考えていません。手にあまる作業量となりますし、文学館に来ていただく意味も希薄(きはく)になってしまいます。あくまで、ホームページは白樺文学館の精神にちょっとだけ触れていただくという姿勢でいます。

 ちょっとだけ見せちゃおう。
頻繁(ひんぱん)にいじれる環境ではありませんので、まぁ、長い間、飽きない程度に落ち着いた、ホームページを目指してます。同様に、最新技術などは避けていきたいと思ってます。
 ちなみに、800x600ピクセル程度を最低限の解像度に想定してデザインしました。640x480でも見れるようにはしてますが。

 多分、11月には仮のホームページを立ち上げます。テストもしなければなりませんので。そのときにはまたお知らせします。
お楽しみに。

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2000年10月14日 古林 治